画像を入れるために、パッケージを指定して追加する必要があります。パッケージとは、機能を追加するためにつかうものであり、機能を利用するのに必要なコマンド等が定義されています。画像を入れるために、よく使われるパッケージの一つは、graphicx です。このパッケージを使う場合は、プリアンブルの領域(\begin{document}より前)に、\usepackage{graphicx} を記述します。
本文中で画像を入れるには、figure 環境を用います。\begin{figure} と \end{figure} の間に、\includegraphics { } を入れます。中括弧 { } にはファイル名を記述します。
画像ファイルが、TeX ファイルと同じフォルダにあるのなら、画像のファイル名のみを記述すれば良いですが、別のフォルダに入っている場合は、しっかりとフォルダ名も入力します。
以上の作業を行なえば、文書中に画像が入りますが、画像を適切な位置に、または適切な大きさに表示するために、記述しなければならない事があります。画像の位置を調節するためには、基本的に \begin{figure} に続いて [htbp] と書きます。h は、figure 環境を書いた場所に、b はページの下部に、t はページの上部に、p は別ページに配置するという意味があります。h は here、t は top、b は bottom、p は page と覚えておくと良いです。htbp という順番でなくても良いですが、一般にはこの順番で書きます。なぜなら、htbp の順に、優先順位が決まっているからです。よって、htbp と書かれた場合、h を満たすように画像が配置できなかったら、t となるように画像が配置されます。例えば、ページの上部か下部に画像を配置したい場合は、tb を記述します。また、独立したページに画像を入れたい場合は、p のみを記述します。
画像の大きさについてですが、画像の大きさを調節したい場合は、\includegraphics { } に続いて、[ width=長さ ] を書きます。長さのところには、cm 等の単位を使って、画像の幅を指定します。画像の幅を指定すれば、縦の長さも自動的に調節されます。
例として、TeX 文書が置いてあるフォルダから見て、image フォルダにある picture.eps を表示させる場合
\documentclass{jarticle}
\usepackage{graphicx}
\begin{document}
\section{画像の表示}
画像を表示します。
\begin{figure}[htbp]
\includegraphics[width=10cm]{image/picture.eps}
\end{figure}
画像の表示が終わりました。
\end{document}
と TeX ファイルを編集します。ただし、元の画像が大きいサイズとなっているため、画像の幅を 10cm となるようにしています。PDF表示させると、
picture1.pdf(PDFファイル)となります。
画像にタイトルを付けたい場合は、\caption{ } を使います。中括弧 { } の中に、タイトルを記述します。また、このようにタイトルを付けると、図1等のように自動的に画像へ番号も付きます。また、タイトルは中央にそろうので、\begin{center} と \end{center} を使って、画像も中央に位置するように配置すると、見映えがよくなります。
画像にタイトルを付ける事によって、画像に番号が付きますが、本文中でこの図の番号を使うときは、画像にラベルを付け、本文中で参照する方法が便利です。この方法なら、入れる画像の数が変わった事等によって、図の番号が変わっても、本文中に表示される図の番号も同様に変更されます。ラベルを付けるには、\label{ } を用います。中括弧 { } には、識別しやすいような名前を考えて、記述します。本文中で参照するには、\ref{ } を使います。中括弧には、{ } ラベル名を記述します。例として
\documentclass{jarticle}
\usepackage{graphicx}
\begin{document}
\section{タイトルとラベル}
\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=10cm]{image/picture.eps}
\end{center}
\caption{タイトル}
\label{picture}
\end{figure}
図\ref{picture}では、黒い背景に画像という文字が、白い文字で書かれています。
\end{document}
と TeX ファイルを編集します。PDF表示させると、
picture2.pdf(PDFファイル)となりますが、画像の下には図の番号とタイトルも表示されているのがわかります。また、本文で「図1では、・・・」と表示されていますが、もし図の番号が変わっても、この部分の図の番号も自動的に変わります。
図に番号を付けるとき、節の番号も含めたい場合(例えば、図 2.1 等)は、TeX文書における本文の前に、\def\thefigure{\thesection.\arabic{figure}} と \@addtoreset{figure}{section} 記入します。ただし、@マークを文字として読み取らせるために \makeatletter と \makeatother の間に書く必要があります。@マークがある行だけ、その間に書けば良いのですが、見やすくするために、@マークがない行も間に書く場合があります。
先の「タイトルとラベルの付け方」の例の TeX ソースに、節の番号も含めて図に番号を付けるために必要なソースを加えると、
\documentclass{jarticle}
\usepackage{graphicx}
\makeatletter
\def\thefigure{\thesection.\arabic{figure}}
\@addtoreset{figure}{section}
\makeatother
\begin{document}
\section{タイトルとラベル}
\begin{figure}[htbp]
\begin{center}
\includegraphics[width=10cm]{image/picture.eps}
\end{center}
\caption{タイトル}
\label{picture}
\end{figure}
図\ref{picture}では、黒い背景に画像という文字が、白い文字で書かれています。
\end{document}
となりますが、これをPDF表示させると、
picture3.pdf(PDFファイル)となります。画像の下には図の番号とタイトルも表示されていますが、図1.1と表示されており、節の番号も含まれているのがわかります。