ベクトルの書き方

上に矢印(→)を付けるベクトル

数式で、文字の上に矢印(→)を付けるベクトルを書く場合、\vec{ } を使います。中括弧 { } の中には、ベクトルにしたい文字を入れます。例えば

\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}

と入力すると


と表示されます。

太文字のベクトルの書き方

数式で、太文字形式のベクトルを書く場合は、\mathbf{ } を用います。中括弧 { } の中には、ベクトルにした文字を記入します。例えば、

\mathbf{a}+\mathbf{b}+\mathbf{c}

と入力すると



となります。

太文字の斜体(イタリック)のベクトルの書き方

ベクトルを太文字の斜体(イタリック)で表現したい場合は、\mbox{\boldmath $ $} を用います。ベクトルにしたい文字は、$ の間に入れます。また、\mbox{ } は、数式に文字を入れたい時に使うコマンドであり、\boldmath $ $ は、太文字の斜体にしたい場合に使うコマンドです。例えば、

\mbox{\boldmath $a$}+\mbox{\boldmath $b$}+\mbox{\boldmath $c$}

と入力すると



となります。このような書き方は、ベクトルとして見やすく、よく使われているのですが、\mbox{\boldmath $ $} は、やや長いので、入力に手間がかかりますし、TeX文書内の文字数も多くなってしまいます。そこで、この \mbox{\boldmath $ $} を別のコマンドに置き換えると大変便利です。そのためには \def\vector#1{\mbox{\boldmath $#1$}} を用います。\def は、後に書かれるコマンドを定義するために用いるコマンドであり、今回は \vector を定義しましたが、任意の名前で大丈夫です。ただし、\vec 等、既に使われているコマンドにすると、既に使われているコマンドが再定義されてしまいます。#1 は、コマンドが受け取る引数であり、# と番号で表現します。\def と定義したいコマンド、引数を書いたら、中括弧 { } を書き、その中に、どのように定義するのか書きます。引数のところには、先ほど使われた #1 を入力します。例えば

\documentclass[10pt]{jarticle}

\def\vector#1{\mbox{\boldmath $#1$}}

\begin{document}

$$
\vector{a}+\vector{b}+\vector{c}
$$

\end{document}


と編集し、 PDF形式にして表示するとvector1.pdf(PDFファイル)のようになります。このように、\mbox{\boldmath $ $} を、別のコマンドにしておくと、編集が楽になります。

単位ベクトルを表す ^ (ハット)の付け方

単位ベクトルには、単位ベクトルである事をわかりやすくするために、ベクトル文字の上部に ^ (ハット)が付けられる事があります。文字の上に ^ を付けたい場合は、\hat{ } を用います。中括弧 { } の中には文字を入れます。例えば、\mathbf{ } と組み合わせて

\mathbf{\hat{x}}+\mathbf{\hat{y}}+\mathbf{\hat{z}}


と入力すると



となります。

2009/04/20 更新